EMG/GHK G34 JW2 TTI コンバットマスター プロトタイプ公開

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EMG/GHK G34 JW2 TTI コンバットマスター の魅力は内部にあり!GHKグロックの

予約受付中のEMG/GHK グロック34 JW2 TTI コンバットマスター ガスブローバックについて、代理店よりプロトタイプをお借りする機会に恵まれたため、外装だけでなく内部構造についても詳しく触れていこう。

GHKのグロック自体は2020年頃から発売されているが、あまりに独特な構造のためオルガエアソフトでは取り扱いを見送っていた。しかし今回、 コンバットマスター の発売を機に内部構造まで改めて調べてみると、非常に理に適った設計であることが分かった。その一端だけでもこの記事で感じてもらえればとの想いで筆を執った。

なお、プロトタイプではスライドが全面的にブラスト加工となっているが、製品版ではセレーション部がポリッシュ加工されるとのこと。その他、プロトタイプと製品版では仕様に異なる点があるかもしれないので、その点は予めご了承頂きたい。

GHK コンバットマスター

 

GHK コンバットマスター のスライド

GHK コンバットマスター を手にした第一印象としては、とにかく軽いということ。他メーカーの コンバットマスター に比べ、重量がおよそ200gほど軽いのだ。GHK式のガスブロ グロックはハンマーレスのためスライドが非常にスムーズなのが特徴だが、この軽量さも動作の良さに繋がっている。

このスライドの軽さをどのように実現しているのだろうか?

GHKグロックでは、ブローバックする時スライドでハンマーを押す必要がなく、スライド前進時にトリガーバー(ディスコネクタ)を押し込むだけで良い。そのためスライド後端に重く頑丈なブリーチ(ノズルハウジング)が存在しない。ディスコネクターをコントロールする溝以外はノズルが収まるシリンダーがあればガスブロとして機能するので、軽さを優先してシリンダー兼ノズルハウジングを一体成型したスライドになっているのだ。

この構造は既存のUMAREX/GHK G17 Gen3と全く同じだ。

コンバットマスター スライド

GHKグロック シリンダー

 

GHK コンバットマスター のノズルはライフル並み?!

スライドの後端がそのままシリンダーとなっているGHK コンバットマスター だが、そこに納まるノズル(ピストン)も特徴的だ。その設計はまるでM4やAKなどの長物とほぼ同じなのだ。インナーハンマーがなく本来スライド後端に設けるべき空間が必要ないため、スペースをフルにシリンダーとして使い切っている。シリンダー径はマルイ系新型エンジンと同じ15mmだが、ピストンが最大まで伸びた場合(そこまで容量を使い切ることはないと思うが)シリンダー長は40mmにもなる。

GHKグロック は、M4やAKのボルトキャリアがそのままスライドになったような設計となっているのだ。

GHKグロック ノズル ピストン

ピストンの組み込み方法もM4ボルトキャリとほぼ同じで、エキストラクターがノズルのストッパーの役割を担い、スプリングはスライド後端にEリングで固定される。エキストラクターはスライド下面からアクセスできるイモネジらしきものを押し込むことでロックを解除しノズルを抜くことができる。

長物で使われるシリンダー・ピストン構造をほぼそのままハンドガンに流用しているのだから、動作が悪いわけがない。

GHK コンバットマスター ノズルEリング

GHKグロック ノズル シリンダー

 

ハンマーレスのバルブノッカー

長物に近いブローバック方式にも驚きだが、GHK コンバットマスター の最大の特徴であるハンマーレスはどのような構造なのだろうか?従来のガスブログロックではハンマーブロックと呼ばれるフレーム後端の内部機構は非常にシンプル。トリガーバー(ディスコネクター)と2ピース構造のバルブノッカー、それぞれの軸とスプリングしかない。空間に余裕があるせいかトリガースプリングもここに設置されており、分解・組立てが非常に行いやすそうだ。

ハンマーを介さない分構造もシンプルで、トリガーバーで直接バルブノッカーを押しているだけである。ノッカースプリングはディスコネクター(トリガーバー)が押されて解除された際にノッカーを戻すためのものしか見当たらないので、言ってみれば指の力がそのまま放出バルブを押しているようなものだ。

シンプルだが、この構造を実現したアイデアや設計は素晴らしいの一言に尽きる。

GHK グロック バルブノッカー
▲コッキング状態

GHK コンバットマスター バルブノッカー
▲デコック状態

 

無いはずのシアを感じるトリガーの秘密

「指の力がそのまま放出バルブを押している」と書いたが、実際のところGHK コンバットマスター のトリガーを引いてみると、ある程度のところで重みが増し、そのまま「カチッ」とシアが落ちる感触が感じられる。バルブノッカー周りにはシアがないはずだが、これは一体…?!

実はこのシアの感触は疑似的に作られたものだ。GHKグロックのトリガーは内部にスプリングと金属製の可動プレートが仕込まれており、このプレートがトリガーシャーシを固定しているピンを越える時にトリガーに強いテンションを掛けているのだ。

GHKグロック シア

疑似的な機能ではあるものの、これがあるおかげでGHKグロックのバルブノッカーがうまく機能している面もある。放出バルブをスプリングを介さず直接押している関係上、本来であればトリガーの引き方(時間)により初速が変わるはずだが、疑似シアのトリガープルは実銃並みにまで重くなっており、トリガーをゆっくり引こうにも疑似シアを越える瞬間に勢いでそのまま引ききってしまう。トリガーの引き方で初速を変えるのは実際には不可能に近い。

GHK GLOCK トリガー
▲トリガーのテンション掛かりはじめ

GHK Combatmaster トリガーシア
▲トリガーを引ききったところ

 

実はマガジンも独自構造

GHK コンバットマスター はマガジンバンパー以外はグロックと共通のマガジンとなるが、これも他メーカーとは全く異なる特徴を持っている。まずはBB弾が見えない設計が独特と言えるだろう。スリットが無いため装弾にはBBローダーが必須となるが、マガジンポーチに差した時のリアルさなどテンションが上がるポイントだろう。

GHK コンバットマスター マガジン

だが、GHKグロックマガジンの一番特筆すべきポイントは放出バルブだ。マガジン背面を見るとひときわ大きな放出バルブが見える。何故こんなに大きいのか?バルブを外してみてその理由が分かった。

外した放出バルブはハンドガンらしいコンパクトなものだが、内部まで含めて直径が非常に大きい。そのためガスルートが広く、ガス放出時の瞬発力はかなりのものとなる。

GHK グロック 放出バルブ

そして本当に面白いのはここから。通常、ハンドガンの放出バルブはガスが前から入って後ろから出ていく構造で、バルブの閉鎖にガス圧も使うことによってガス漏れを防いでいるが、GHKグロックマガジンではガスはバルブの後ろから入り、前に出ていく。一般的なバルブと大きさ以外の違いはないが、マガジン側でガスルートを変えているのだ。これが何を意味するのか。

GHKグロック のガスルート

ガスブロのマガジンは気温が高くなったり直射日光が当たれば、それに伴い内圧も高くなる。一般的なガスブロマガジンでは内圧が高くなりすぎると、放出バルブが内圧で押されノッカーで叩けなくなるという事態が発生する。真夏はガスブロの季節だが、マガジンをしっかり管理していないと内圧の高さで動作不良を起こすこともしばしばある。

しかしGHKグロックマガジンの放出バルブは他メーカーとはガスルートが逆のため、バルブスプリングのみで閉鎖している。つまり、マガジンの内圧が高まったとしてもノッカーが放出バルブを叩けないという現象が起きないのだ。

特に、GHKグロックでは前述のトリガー及びバルブノッカーの構造により、放出バルブの硬さがトリガーの感触に直結する。マガジン内圧に関係なく一定のトリガーフィーリングを実現するため、またトリガープルの時間差による初速変化を無くすため、この逆ルートのバルブが必要なのだろう。そのため、放出バルブが内圧に押されガス漏れを起こしにくいよう、大きくしっかりとした閉鎖スプリングが仕込まれている。

この構造では、暑い日にガスが突然漏れることはないのか?という疑問も生まれるが、恐らくそれは起こり得ることだ。しかし言い換えれば、マガジン内圧が危険なまでに高まったら自然にバルブが解放されるということなので、むしろ安全面に配慮した構造と言えるだろう。内圧が高まり過ぎてマガジンが変形したり、パーツが吹っ飛ぶような事故は起きづらいと予想される。

そしてその放出バルブ構造によるメリットがもう1点。ガスマガジンは内圧が高まるため硬度の高い亜鉛ダイキャストで作られることが多いが、GHKグロックマガジンでは一定以上の内圧にはならないためアルミダイキャストで作られている。マガジンが軽量なのは、サバゲープレイヤーとしては非常にありがたいポイントではないだろうか?

タランタクティカル マガジンバンパー

 

GHKグロックは操作がリアルではないと言われる点について

GHK コンバットマスター 及び グロック17について、唯一残念と言われるポイントがスライドを引かなくても撃ててしまう、という点だ。他メーカーのガスブログロックの場合、マガジンを装填しても1回スライドを引いて内部ハンマーを起こさない限りはBB弾を発射することはできない。しかし、これを問題点と決めつけるのは少々早合点というものだ。

グロックにはレバー等を使用したセーフティー機構がない(そのため国内メーカーではシリアルプレートをセーフティーに使用する)が、その代わりマガジンを抜いた状態でトリガーを引くとデコックと共にトリガーが後退位置で止まり、再度スライドを引いてコッキングしない限りはトリガーを引くことができない(東京マルイG26を除く)。

これこそがグロックのセーフティー機構なのだ。目に見えてセーフティーが掛かっていることが分かるうえ、スライドを引くというあからさまなアクションが無い限りは解除されない、かなり安全なシステムと言える。この安全管理を、自宅保管時やフィールドで心掛けているプレイヤーならば、トリガーロックを解除するため必ずゲーム前にスライドを引くことになるため、実質スライドを引かなければ撃てないことに変わりはない。

グロックを扱う時は、メーカーに拘わらず使用後のデコックを心掛け、常に安全管理を意識したいところだ。

GHK コンバットマスター トリガーロック

GHK G34 JW2 TTI コンバットマスター の魅力を伝えるつもりがGHKグロックの構造紹介になってしまったが、それを知るだけでも魅力的なガスブロであることがお解り頂けたかと思う。

G34 コンバットマスター の予約受付に併せ、UMAREX/GHK G17 Gen3も入荷しているので、GHKグロックの魅力を体感したい方は是非手に取ってみて欲しい。

EMG G34 JW2 TTI Combat Master ガスブロ(Official Licensed/GHKシステム)商品ページはコチラ

スペアマガジン:商品ページ
GHK / Umarex GLOCK17 ガスブローバック スペアマガジン
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